最近の株価上昇とBS志向について

株式市場が大変賑やかになってきている。ダウ平均は3日連続で年初来高値を更新している。所有している者にとっては、まことに嬉しい限りであろう。

 

▲ところで、決算書に貸借対照表と言うものがあるが、これは、損益計算書と並んで、多くの投資家が注目する決算書の代表格のものである。▲この貸借対照表の右側の最下段に「資本勘定」と言うものが書かれているが、・・・これは一体、何を表すもものか? 

▲経理に携わる方に聞けば、『これは、「投資家からお預かりしたお金(資本金・資本剰余金)」と「その企業が、今まで稼いだ利益の一部を社内に貯めてきた金(利益剰余金)」である。』・・・・と、即座に答えが返ってくるほど基本中の基本みたいなものである。

▲でも、不思議なことに、経理に携わっている方の中には、「売上高や利益額は言えても、この資本の額」を即座に答えられる人は少ない。▲何とも不思議なことである。だって、あなたの家計で言えば、「自分の年収は言えても、貯金の額を知らない。」と言うことになる。▲年収はその年だけのことで、貯金は今までの積み重ねである。何かあった時のために、人々は汗水たらして貯えをしているのである。・・・なのに、経理の人は、この額を良く知らない。

▲実は、経理だけではないのである。この現象は多くの経営者にも当てはまる。▲その年の利益は非常に重要視するが、社内留保がいくらできるかを考える人が少ない。しかも、自分の成績に直接関係する「営業利益」だけを見る経営者もいるほどである。▲ご存知のように、営業利益の下にもいろんな損益があり、その損益を加味したものが、最終利益となる。▲この最終利益こそ、貯えの原資になるものである。▲このように、「貯え」よりも、「その年の利益」を気にする経営者が多いのである。

▲その兆候は投資家にも見られる。現在の株価が割高なのか、割安なのかを見るのに「PER」や「PBR」があるが、株価形成はPERによるものが圧倒的に強いようである。▲PERは利益に比べた株価の倍率、PBRは貯え(資本)と比べた株価の割合を表す指標である。▲株式市場も貯えよりも利益を重要視するのである。

 

▲『現在よりも、将来に重点を置いた見方をすることは理解できるが、会社経営はそうではない』と私は常々思っている。▲一過性の利益より、長期的な安定を重要視する経営こそゴーイングコンサーンに合った経営だと思っている。▲私は、その思いで、ず~と経営に携わってきた。▲そう、私はBS志向である。▲BS志向になると、いろんなものが見えてくる。▲BS志向の経営者が増えてくれることを、願い期待している。

 

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