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財務改革の基本は 「回転」 と 「価値増殖」 にあり。

第三章 財務改革の始まりに際して  ~これは、財務改革のために戦い続けた「経理の知られざる戦い」の記録である~

 

 (財務改革に必要な視点)

戦いの前の準備が済んだら、いよいよ戦いの始まりである。▲前にも書いたが、私の目標は「全ては資金を円滑に廻す」ことである。▲そう決めたのである。

このことを突き詰めて行く私の姿を見て、人は、「B/S(貸借対照表)指向」と言うが、それは間違いではないが、それが全てでもない。本当のことは理解していないと思う。▲そのことを、伝えきれなかったことを非常に残念に思っている。▲この反省も含めて、私の、本当の思いをここで明かす。

私が目指していたものは「財産管理」である。▲それは、得た財産を減少させないように管理するだけではなく、増やすことも含まれるのである。▲皆さんが考えているよりも、もっと広い概念であるはずである。

 では、この概念を具体的な改革に繋げることができるように、事業プロセスの中で改革視点を紹介していきたいと思う。

 たとえば、今、会社を設立したら、どんなステップで事業を開始していくだろうか。▲それは、きっと、まずは、資本金で集めた資金を元手にして、土地の取得や、建物を建設し、製造に必要な設備の購入や、人の採用をするのだろう。ここまでが、製造に必要なインフラ整備の段階である。・・・①

 これが済むと次は、いよいよ生産に入ることになるが、まず調達部が必要な材料を手配し、それを工場で、設備と人をかけて製品にする。出来上がった製品は営業部を通して顧客に販売される。・・・②

と言った具合だろう。『な~んだ、こんな簡単なことを、いまさら説明されなくても・・』と思われるでしょうが、経理部員の頭はちょっと複雑な仕組みになっているので、上記②のステップを次のように捉えるのです。

「現金」→「原材料」→「仕掛品」→「製品」→「売掛金」→「受取手形」→「現金」

となるのである。そう、これは全てB/Sに記載されている科目である。この科目で事業プロセスの流れを捉えるのである。このように、経理の人達の頭はちょっとややこし過ぎるところがあるが、彼らのために、この流れで説明をしていく。

 私が、改革をし続けた基本的な考え方は、実は、この事業プロセスの中にあるのです。

 まず、一つが、この流れを止めないということです。購入した原材料は早く製品にして、出来上がった製品は素早く売り上げて現金化する・・・と言った視点を持つということです。

 もう一つは、最初の現金よりも、最後にある現金を、どれだけ大きくさせるかと言うことです。言い換えれば、事業プロセスの中で、どれだけの付加価値を生むことができるかと言う視点を持つことです。この差額である利益が、現金を増加させることになるのです。(私は、この流れを「価値増殖循環」と呼び、社内に説明をしてきた)

 この二つが、私の言う「財産管理」なのです。

 そう、「回転を早くさせる」と言うことと、「一回転したら必ず付加価値分だけ現金を増やす」といった二つの視点なのです。