夕日にスポットライトを浴びた僕の山荘

別荘歳時記

今日(9/4)は、春野町で開催された「ファーマーズ・カンファレンス」に行き、帰りが遅くなってしまったので山荘に泊まることにした。

 実は、僕は、あまり山荘には泊まらない。▲それは、山奥のため、一人で泊まるには、あまりにも寂し過ぎるからである。▲近くに民家などない。同じ別荘地内でも殆ど人がいない。夜になると真っ暗になる。音もない。静寂な時間だけが流れていく。・・・気の弱い僕には、とてつもない、過酷な夜になるのである。

 今日も、だんだん薄暗くなってきた。▲それに合わせて、僕の心も薄暗くなってきた。▲そんな、心の寂しさを和らげるために、あえて薄暗い景色を楽しもうと思い、意を決して外に出てみた。▲「おぉぉ、いいじゃん、僕の山荘が夕日にスポットライトを浴びているじゃん、こんな景色、普通じゃあ見れんぞ、僕は意外と幸せもんかも知れないなぁ~」・・・なんて、勝手に思った。▲さっきまでの寂しい思いは、もう忘れていた。

 しばらく眺めていたら、幼いころの懐かしい思い出がよみがえってきた。▲時間を忘れて暗くなるまで、田畑で泥んこになって遊んだものだ。▲家路に向かうと、遠くに見えた我が家の光が、何とも懐かしい。▲そこには、暖かな母の愛と、美味しい夕ご飯が待っていた。▲僕は母親一人で育てられたので、その思いは、人一倍強く残っている。▲大変貧しかったが、そこには心やすらかな幸せがあった。▲橙色の裸電球の明かりは、その哀愁ある光景を思い出させてくれる。▲今、僕は、その橙色の明かりを、山荘で見つめている。・・・

・・・そんな余韻を残して、今、僕は、真っ暗な、静寂な、長い長い夜を、ソファーに身を埋め、暖かな珈琲を片手に、一人楽しんでいる。

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