中高年の自動車考とは?

電話が入った。山奥の道を走っていたので車を土方に止めて、受話器を取った。「M社販売です。その後分かった情報をお伝えしたくて電話をさせて頂きました」

 それは、昨日、1年目の定期点検を受けたカーデーラーからの電話だった。ご丁寧に、追加情報を連絡してきてくれたのだ。レーザー・ブレーキ・アシストシステムについてであった。当日は、4度も路上テストをしてくれたが、1度も作動しなかった。そのことに対しての補足情報であった。▲僕の言い分に、デーラーが充分付き合ってくれたので、そのこと自体は何の不満も残っていなかったが、この電話を聞いているうちに「自動車事情も随分かわってきたなー。中高年にとっては、ちょっと、ついていけないなー」なんて思った。

 そこで、中高年の自動車考を書いてみた。心あるカーメーカーがあったら、是非、考えてみて欲しい。「古いなー」なんて言わず、これも、少子高齢化の現在においては立派なCS視点だと、我慢して、読んで欲しい。いくつかの体験談を通して語ってみる

①.実は、昨日、息子が出社前に車が動かなくなった。この寒さでバッテリーがいかれたようだ。そこでブースターを持って私が駆けつけた。息子がボンネット開けたら「おおー、バッテリーがない」。D社のH車だ。こんな狭い所にごちゃごちゃと、何やら、色々とつまっている。私にはラジエターの水を入れる栓ぐらいしか分からなかった。息子が取説の小さな文字を拾って調べている。なんと助手席の下にあった。「おー、こんなところにあったか・・・」そう言えば、現役のころ、インドのタタ社の極安車を会社で購入し調べたことがあった。バッテリーが裸のまま、助手席の下に置いてあった。バッテリー液の流出を考えたら、こんな所には絶対置かないはずだ。と、バカにしたが、何と、日本車も同じ所に置いてあった。

 軽の規格の中で、無理やり、車内空間を確保しようとするカーメーカーの思考であるが、こんな無理な設計は、きっとコストも割高になるはずである。それにもまして、ユーザーから見れば、何とも不思議に映る。

②.行き過ぎた開発競争の影響が他にも見られる。余分な装備を徹底的に省く姿勢だ。 私は、S社のH車に乗っていて山奥でパンクした経験を持つ。ここでもビックリしたことが起こった。それは、ラゲッジルームを開けてパンク修理に必要な装備を出そうとした時だ。 ない、ないのだ。ジャッキも無ければ、スペアタイヤもない。車底を覗き込んでもやっぱりない。あるのは、携帯用ガスボンベみたいなものが一つ。やばい、取説を調べる羽目に。見えない。少し老眼が入り始めた私には、こんな小さな文字は見えない。ここまできたら、自力で修理することを諦らめるしかなかった。JAFを呼ぶことにした。携帯を出して電話した。「おー、通じない。えー圏外だって」。またもやである。仕方ないから携帯を片手に通話可能範囲を求めて、さまよい歩いた。ここは、山ん中。坂道は中高年には辛い。やっと、通話圏にたどり着いたと思ったら、今度は、自分の居場所を伝えられない。周りには標識も無ければ、電柱(書かれている番号で場所が分かるらしい)もない。ここは山ン中。それも、かなり山奥。「最後の頼みの綱も、もはや、これまでか・・・」と、本気でそう思った。その時、別荘仲間が言っていたことを思い出し、携帯で、緯度と経度を調べてJAFに告げた。これで大事を免れた。

 もともとは、スペアタイヤが装備されていないことで起こったことである。デーラーに聞いたら、「今どき、自分でタイヤを直す人はいないんです。皆さんJAF頼みなんですよ。ですから、メーカーも標準装備から外したのです。代わりにパンク緊急補修用のボンベが置いてあります。でも、お客さんみたいに釘が原因の深い傷は無理でしょうね。」・・・・車事情も随分変わったものだ。最悪のことを考えていない。いくら価格競争が激しくなったからと言って、見えないところで、大事なものを省いてはいけない。・・・そう思った。

③.そして、今度の、S社のH車に装備されているレーザー・ブレーキ・サポート・システムの件である。4度のトライで1度も作動しなかったことについてである。「作動する条件は15~30km/hの場合です。それ以下でも、それ以上であっても作動はしません。警告ブザーが鳴るだけです」・・・どうも、我々のトライはこの条件の範囲を超えていたようである。・・・・「う~ん。だけど、ちょっと待てよ。この速度しか作動しないって????」。これって、法令で言う「徐行運転」って言う速度じゃないの。こんなで、本当に事故防止できるの。全く持って不思議に思う。それに、このシステムが本当に作動するかどうかなんて、車検でも、定期点検でも確認しない。各社同じような機能を持った車を出しているが、どこのメーカーが一番優れているかも分からない。国で認めた5つ星みたいな評価基準があれば助かるのだがそれも無い。宣伝文句ばかりが先に進んでしまっているように思う。もし、用をなさない機能であるならば言わないで欲しい。妙な念書にサインしてもらうようでは恥ずかしいではないか。

 

 色々と好き勝手なことを書かせて貰ったが、我々、中高年に優しい車を作って欲しい。そのことだけを願って投稿させて頂きました。ヒントはいろいろ書きましたので、是非、参考にして頂ければと思います。なお、僕の購入したデーラーでは、メーカーの足らない部分を懸命に補っていることを申し加えさせて頂きます。

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