心に訴えるビジネスで活路を開く

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■経営コンサル便り(その8)

私は、今、ある団体の起業について、お手伝いをさせて頂いている。
この中で、感じたことがあるので、皆さんの参考になればと思い、紹介させて頂きます。

このビジネスは、「生活インフラ事業」である。
ご存知のように「インフラ事業」は、初期投資にまとまった資金が必要になることと、その回収期間が長期に渡ると言う特徴があります。 この為、零細企業や中小企業の参入が、とても難しい業界であります。

 果たして、この業界に零細・中小企業は本当に参入できないだろうか。・・・それが本日のテーマであります。

結論は、「やり方しだいで道は開ける」です。

 まず、小は大に勝てるかと言う疑問です。
ボストンコンサルティンググループが提唱した「経験曲線効果」でも知られているように、規模が大きいほど、製造・仕入れコストに優位性があり価格で競争することは、まず不可能でしょう。

 では、真っ向勝負ではなく、市場セグメントを変えて勝負できないかと言う見方です。残念ながら、この「生活インフラビジネス」は、既存の送電線を使ったり、ガス管を使うことになるので、市場セグメントを変える戦略は取ることができません。

 ならば、品質に差をつけて、高付加価値商品で、とも考えるのですが、ガスや、電気に品質の違いはありません。この戦略も無理だと思います。

ここまでは、無理な話ばかりですが、
事業と考えず、社会貢献として考えれば、やれる方法があるのです。
大きな利益は望めませんが、損をしないで、何とか事業として成り立たせることはできると思います。 それは、「生活インフラ事業」に、「社会貢献意識」や「地域活性化策」と結びつける方法です。 言い換えれば、品質や価格での商売ではなく、ユーザーの気持ちに訴える商売をすれば活路は開けるはずです。 

要は、ユーザーの心に響く「事業スキーム」を、どう作るかが勝負なのです。

とても難しいことですが、地域を良く知る人と、事業家がいれば、このスキームを作ることができます。 社会貢献を目的とした事業が広まることを私たちは願っています。