即対応が経営の質を上げる。(5)

ベトナム政府・外部団体に「IoTを活用した日本式カイゼンノウハウを伝える」と題してプレゼンをした。

 

さー、いよいよ話の中核に入る。 ここからは、問題解決の方法を見せなければならない。 本来であればコンサル業としての知恵の出しどころであり、openにしたくない所だが、そこは気前のよい我々ですから明かすことにします。

■機械の稼働率を上げる。

人は、自分の恥になることをなかなか喋りたがらない。「どう、この前、導入した設備は調子いいかい?」と尋ねると「はい、順調に動いています。予定どおりです」と答えが返ってくる。 そんなはずがないと思い訊ねているのだが「問題ない」と言う。 こちらは、この工程の出来高が落ち込んでいるので「もしや、と思って訊ねたのだが・・・」。

 こんな経験をされたことありませんか。 熱弁を奮い高額の設備を導入した担当者にしてみれば、「問題」なんて言えない。「何とかするのが先決」との想いが強くなり、しばらくすれば「問題なくなる」と思いこむ。・・・そう、もう少し経てば「問題ない」が、今「問題ない」の返事になる。・・・これが経営の遅れにつながる。 自分はこんな経験を沢山見てきた。

今起きている問題を即座に現場に伝え、後工程や前工程の作業に反映させる。 また、現場だけでなく設備メーカーや生産技術者の知恵を結集して問題解決をすることが必要になる。

最近はIoT技術が進んできて、これが、実現できるようになってきた。 そんな具体例を説明していく。

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■設備稼働の弊害要素を考える。

設備稼働の状況をIoTで丸裸にしてみると、設備は実によく止まることが見えてくる。 「段取り換え」「試運転」「調整」「手待ち時間」「チョコ停」「故障」と、未稼働時間は結構多い。これらの要因をうまくコントロールして稼働率を上げていくことが生産性を上げることに繋がる。 が、この活動は設備そのもの以外に、人の作業の仕方、ライン設計のあり方、などもあり幅が広い。 ここに「今起きていることを知る」ことの大切さがある。 (問題の要因により対応できる人・ノウハウが変わるので、それらをうまくコーディネイトする必要があるからだ)

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