価格改定のむすび (価格改定その5)
私は前4回に亘って「絶対認められる価格改定」として投稿してきた。
今回はその最終版である。
下請企業の立場で、いろいろ書いてきたが、決して「大手企業を批判するものではない」ことを最後に申し上げたい。 サプライチェーン全体で自動車業界が繁栄して欲しいと願っている。
また、下請企業もあまり負い目に感じないでほしい。下請企業には下請企業としての役割もあるし、なくてはならない存在でもある。 貴方の会社も、それを果たしているはずである。
大手企業には、できない仕事がある。やりたがらない仕事がある。 それはローテクで、手間がかかり、仕事量が少なく、かつ変動する。 それを貴方の会社が立派に果たしているではないか。
私は、大手企業にいて、そのことをあまり考えなかったが、今、経営コンサルタントとして多くの中小企業さんと付き合ってきて、よ~く分かった。 その思いで、前4回の投稿をしてきた。 大手企業には「業界全体を」、中小企業には「希望を」持っていただくことを願って、当投稿を終了する。
価格改定テクニック: 補償額の計算 (価格改定その4)
(はじめに)
自動車業界において下請企業が上位取引先企業に対して行う「価格改定を快くお引受けしていただける方法」をシリーズで掲載している。 今回は、その4回目になる。
私は、同様のテーマで投稿している他の記事をネットで調べてみた。 どこも具体的な中身に触れていない。 一つだけ参考になるのが自動車部品工業会にあった。 他は、とても客先企業を説得できるものではなかった。
そんなで、ちょっと躊躇した。 私のノウハウをあからさまにしていいのかと。 私は経営コンサルとして起業している。 ノウハウの公開は競争力の低下を意味するからだ。 しかしながら、中小企業のことを考えれば黙っておられなかった。
私の支援している会社さんはどこも苦しんでいる。 昼も夜も3直交代で働きづくめである。 そんな勤務体制なんておかしいですよね。 大手企業は過去最高益や充分ほどの社内蓄積をしている。 もっと公平になって欲しいといつも願っている。 そんな思いで「コスト上昇で歪んできた売価を是正」するための依頼方法を述べることにした。 それを使って、今こそ2次下請の社長さんは自社の困りごとを本音で語ってほしい。
■人件費上昇を売価に織り込む
・どの位の賃上影響があったかを説明する。 ポイントは2つある。

(1).全国平均値を使う・・・上のグラフは日本労働組合連合会で公表している過去の賃上推移である。 この他に自動車総連や厚生労働省が公表している情報もある。 この公表値を使うことを勧める。 取引先(価格改定依頼をする先)の中には「公表数値ではなく自社の実質賃上率にしてほしい」と言われることがある。 もしあなたの会社がこの公表値よりも低い賃上だったら、安易に妥協せず踏ん張ってほしい。
なぜなら、多くの会社は「できれば世間並みの賃上げをしたいと思っているが業績が悪いため我慢せざるを得ない」そんな会社さんが多いのではないでしょうか? 私が支援している会社は圧倒的にこれが多いです。
その結果どうでしょう。 離職者が多い。募集しても来ない。モチベーションが上がらない。そんな状況になっているんじゃぁないですか? ここで妥協してしまったら、この状況が続くことになります。ですから、ここは「せめて世間並の賃上ができるだけの財源を認めてもらえるよう」本気になってお願いすべきです。
(2).過去の取りこぼした分もお願いする。・・・上のグラフを見てほしい。賃上が本格化し始めたのは2023年からである。 なのに、自動車業界では賃上分を価格改定し始めたのは2024年頃からである。 1年ズレている。 片や下請企業が受注した製品はコロナ前のものが多い。 その時に決めた価格が今でも変わっていない。 つまり、2023年の賃上コストは下請会社が負担していることが多い。 遡ってのお願いは相手もつらいが、熱意をもってお願いすれば分かって貰えます。
・次にこのコスト上昇分をどうやって価格に織り込むかをお教えします。
2022年人件費(給与・賞与社会保険料)×2023・2025年賃上げ率=自社の負担額(A)
(A)×取引先の取引ウエイト率=取引先に負担をお願いする額(B)
(B)÷取引先への売上額=単価への織込率
■エネルギーコストの上昇を売価に織り込む
もう、改めて説明をすることはないと思う。 私は支援先々で「売上はドンドン下がるけど、上がるのは電気代だけ」と聞かされる。

上のグラフは中部電力の電気料を表したものである。 ネットで探せば貴方の地域の電力会社のものもある。 これを使って製品単価への値上率を算出する。
ここで注意すべきことを1つお教えします。電力料値上分の補償はだいぶ前からある。 補償の方法は2パターンある。 「単価織込み」と「額での補償」の2つである。 後者の場合は注意しなければならない。 なぜなら「電力料は最近下がってきたので補償は必要ないよね」と言われることがあるからだ。 単価織込みならその通りである。 だけど、額での補償はちょっと違ってくる。 ある基準年度とその年度の電力単価の差額を補償してくれるのだから、その年度が終了すると基準年度の単価に戻ってしまうことになる。 基準年度は2021年の最も低かった頃が多い。 なので、この2021年単価と比較すれば今でも相当高いから補償してもらわないと困る。 このことを注意してほしい。 なお、補償額の計算方法は取引先で決めたものがあるのでこれに従えばよい。
■工場消耗品の上昇を売価に織込む
機械加工をしている製造業では、刃具や切削油などの消耗品も馬鹿にならない。 この消耗品は近年の物価高で下請企業も苦しんでいる。
この消耗品価格の上昇を価格転嫁したい。 ただ、どれだけの価格上昇があったかを示すのは難しい。決算書に示される消耗品費には、購入量の増加と価格上昇の2つが含まれるからだ。 購入量の増加は価格転嫁ができない。なぜならば貴方の会社のやり方次第で変化するからだ。 自社ではどうしても避けられない価格上昇分だけ取り上げないといけない。 だけどそれが難しい。

上のグラフは日本の消費者物価指数の推移である。 これを使えばそれができる。 この物価指数は前年比で示されている。 だから数年間の上昇率を知りたければ各年度の指数を積算しなければならない。 例えば2021年に価格設定したものが2025年の現在も同じ価格でやっているのであれば、最初の消耗品価格から12.01%(2.5+3.27+2.74+3.5=12.01) 増加していることになる。 これを売価転嫁すればよい。
①最初の設定時における売価に占める消耗品価格=売価に織り込んだ消耗品÷売価
②最初設定してから現在までの価格上昇額=現在の売価×①×(1+12.01%)
③新売価=:現在の売価+②
■企画台数ワレ、量産終了品の価格転嫁
これは、数量が多い時に決めた価格が、数量が減少した今でも同じ価格で受注している場合の補正方法である。 数量が減少するとコストは高くなる。 その代表例が「段取コストの上昇」と、「少量ラインへの組替時に起こる上昇コスト」である。 これを売価転嫁すればよい。 計算方法は個別原価計算をしている会社であればできるのでここでは割愛する。
次回は最終回として投稿する。 私の願いは「サプライチェーンを含めた自動車業界全体の繁栄」である。 そのことを「あとがき」として投稿する。
価格改定の秘訣:効果的な提案書の作成術 (価格改定その3)

前回の投稿で、売価改定申請書の書き方を披露すると書いた。
どうせ書くなら、客先に「これでどうだー」とインパクトのあるものを書きたい。
そう、相手に「そんなに大変だったのですね。よくわかりました。ぜひ、検討させていただきます」って言っていただけるものです。
実際に、私が書いたものはそう言っていただいています。
それを紹介します。心して読んでください。
1.依頼書の構成にはコツがある。
トヨタ文化の中には「A3・ワンシート・ベスト」というものがある。
これは、私がグループ会社で働いていた20年前の頃の話ですが、私はとっても気にいっていた。忙しい上司に提案するときは、あれや、これやと回りくどい話をしてはいけない。1枚のシートを見ればすべてが分かる。そんな風に起承転結に置くことが求められるのだ。 そりゃーそうですよね、上司の机は、いつも稟議書が山積みされている。それを一つ3分ぐらいで判断する。それができない稟議書は見られないままポシャられる。
客先に提出する「価格改定依頼書」も同じである。A3シート1枚に「自社の経営状況」「提案に至った背景」「市況変化によるコスト変化」「具体的な依頼内容」「価格転嫁方法」などを理路整然にまとめないといけない。
2.冒頭で書かなければならないことがある。
それは「当依頼書は自動車工業会並びに自動車部品工業会に於いて策定(2023年9月8日)されました自主行動計画の実効を上げるための「徹底プラン」に沿って作成しております。」の文言である。
私は前回の投稿で、「自動車業界は変わった」と申し上げた。 しかしながら、これが浸透しているのは、残念ながら、まだ、上場会社や1次下請けまでぐらいである。 だからあなたの会社の取引先がまだその域にない会社だったら、この言葉を冒頭に入れてほしい。 あなたのお願いが法外ではないことを柔らかく知らせるのです。この一言で対応は変わってくると思います。
だってそうでしょ。 もし申請先の担当者が、この「徹底プラン」のことを知っていなかったらどうでしょう。 下請会社のあなたが知って自分は知らなかった。もうそれだけであなたの立ち位置は変わるはずです。 それに「徹底プラン」そのものを知らないのだから、あなたの書いた依頼書に反論できるはずがありません。 まずはしっかり聞いていくれるはずです。
3.次に書くべきは「取引額の推移」です。
これも先回の投稿で申し上げた。「今までの価格体系は取引量が増え続けることを前提にした価格であり、取引量が減少し続けている現在ではマッタクもって不合理」と申し上げた。
だから、貴方の会社が客先から、どれだけ取引量が減少したかを書くべきである。 私の支援している会社では、ピーク時の2019年度比較して自動車部品一般で60%、エンジン回り部品ではなんと30%程度まで落ち込んでいる会社もある。こんなに取引量が少なくなっているのに以前の価格を据え置くっておかしいですよね。
私は1次下請会社(上場会社)にいたから、そのことがよく分かる。自動車部品製造業に求められてきたのは量産技術だけでした。沢山造ってもコストが下がらないような会社は取引から外される・・・そんな時代が続いた。 なのに環境変わったら他業界への進出を勧める。 そんなの無理でしょ。 量産技術しかないのに。 自動車業界ほど纏まった量の生産なんて他業界にはありません。 ここは一旦、取引量にあった価格に改定してもらうことが必要です。
あっそれから、付け加えておきます。取引量の推移を書くときは、売上だけではなく、加工費売上高も付記することが必要です。 自動車業界では材料を下請会社に有償支給するケースが多い。この材料費は支給先で決められる。その材料費は市況価格がどんどん値上げしたので、見た目の売上高もそれにつれて上がっている。 私の経験では数年前と比べ材料費はだいたい10%位上昇している。 したがって見た眼の売上額と、材料費を引いた加工費売上で見ると、もっと酷いことになっている。 それを見せてあげてください。
4.いよいよ本論に入ります。
上の1~3は前段である。 お互いの立ち位置を共有するための前置きである。
これ以降は、各項目についての具体的なお願いになります。
それは「人件費高騰」「電力料上昇」「刃具、切削油などの消耗品上昇」「企画数ワレコスト」「量産終了品のコスト」などです。
つづきは「価格改定その4」で書きます。 完結編です。 期待して購読してください。
つづきを見たい方はコメントください。それによって書くかどうかを判断させていただきます、
価格転嫁を突破!自動車業界の新潮流 (価格改定その2)

■価格転嫁を深堀する
私は前回の投稿で「自動車業界の取引環境は変った」と言ったが、実態はまだまだ躊躇する会社が多い。 「そんなことを言ったら取引そのものを止められてしまう」と重い腰を上げようとしない。 そこで今回はもう少し深堀して、その気になってくれるようサポートしたいと思います。
■自動車業界は「現行の取引慣行を是正していく」ことを公表した
自動車工業会は「適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画」を2025年1月29日に発表した。 同時に、会員企業にこの自主行動計画の順守に向けた「徹底ルール」を通知した。
これにより、業界全体に取引慣行の見直しが一気に広まってきたと、筆者は感じている。 ところが2次下請企業は自動車工業会の会員でない会社さんが多い。つまりこの環境変化を知らないでいる。
残念なことに、この取引慣行見直しは、上位企業から下請企業に通知されることはまず少ない。 下請企業から上位企業に取引見直しを申請することで、話がスタートするのが一般的である。 だから表題の「2次下請けの社長さん、今、動かないで、どうする !」となる。
■「徹底ルール」の内容
わかりやすくするために、概要のみ簡略化して記す。
①原材料費、エネルギーコスト・・・高騰があった場合は、適切なコスト増加分の全額転嫁を目指す。
②労務費・・・受注者が公表資料を用いて提示する希望する価格については、合理的な根拠のあるものとして尊重する。
③物流費・・・荷主の立場で適正な運賃水準を協議する。
④内示と発注の差・・・内示と発注の乖離に基づいて発生した費用補償については申し出があった場合は協議に応じる。
⑤補給品・・・量産終了後、取引条件の変化を踏まえた部品単価見直しを行う。
どうですか? 私が前回の投稿で申した「現行の取引慣行の不合理さ」が殆ど解消されることになります。 さー元気出して「価格改定申請」をしましょう。
■それでも動かない社長さんに申します。
私は、企業さんの改善計画を策定する場合は、利益を増やす大まかな手順と目標値を全社目標として全社員に告知するようにしています。 これは、改善は「全社員が一致して取り組む」ことの大事さを痛感しているからだ。 そして、ここで示した各施策は担当部署に割り当てをして、お互いに協力し合って事に当たるよう促している。 そうです。各施策はお互いに関係しあって一つの課題を解決することになるのです。 一つだけ取り組んでも解決に結びつかないことが多いのです。
ところが、 「価格改定」は中小企業の場合、だいたい社長さんや取締役が担当することになります。 相手も購買部長や担当取締役でないと答えが出せないので、この人たちと差しで話をしようとすると、こちらも取締役レベルとなるのです。 ここで考えてみて下さい。 ほとんどの改善施策は全員で対処しないと実現できないものばかりですが、この「価格改定」はトップがその気になればできるのです。 すぐ効果が出せるものです。 こんなおいしい話はありません。 さー、即動きましょう !
え、え~ぇ、まだその気にならない? じゃあ、もう一つ否定的な話をします。 価格改定をトップが担当して、それを社員に公表して、それを実現できなかったら、どうでしょう。・・・もう部下に「決められたことが実現できなくてどうする !」「やり方が悪い。動きが鈍い。もう一度、気合い入れて取り組め」なんて言えなくなりますね。 目標管理制度をトップ自らが取り壊すことになります。 こうなるともう社長さん失格ですよね。 さー、もう一度、気合い入れ直してやりましょう !
■ところが、トップがその気になっても、相手によっては動かない会社もある。その時どうする?
私がお手伝いしているケースでは、相手が上場会社の場合は、だいたい話を聞いてくれる。 中には1次下請け会社でも上場していない会社がある。 これが大変。 話に行っても「なにそれ!」 「適正取引への是正?、そんなもの知らない」 「自動車工業会?、自動車部品工業会?、公取法? そんなこと知らない。それどころじゃない、うちも大変だから」と入口でシャットアウトする会社もあった。・・・そんな時、私は迷わず「そんな会社とは取引やめてしまえ」と勧める。 我慢して、今、乗り切ったとしても、この手の会社と取引を続けても、成長すると思いますか? 利用されるだけですよ。 だったら、早く手を切って、他の会社との取引を見つけた方がいいと思います。 いい踏み絵が出来たと思ったらいいです。
■どうですか? その気になったでしょう。次は具体的な提案書の作成をしてみましょう。
・・・この続きは、次の投稿とします。 ご期待ください。
自動車業界の取引慣行・・・そんなのおかしいだろーと思っていたら、変わってきた。(価格改定その1)
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■どんなに頑張っても赤字脱却ができない会社が多くなってきた。
私は、今、コンサルタントとして多くの中小企業のお手伝いをしている。 多くの社長さんからこんなことをよく聞く。「改善できるところは、いろいろやってきた。競争相手にも負けない。無駄な浪費もしていない。従業員は低賃金でも愚痴も言わず頑張ってくれている。なのに楽にならない。」・・・なんかおかしいと思いませんか?
そう、売価がおかしいのです。業界の取引慣行がおかしいのです。ビジネス環境が変わっておかしくなったのです。
私は永年、大手自動車部品製造会社 (上場会社) にいた。だからそのことが良く分かる。
だって、大手企業は、自動化できかるところは自分でやり、どうしても手作業で合理化ができない部分は下請けに回す。 そして「量は確保するから価格は下げて」と、低価格を要求する。 下請け企業は「安くても量さえあればなんとかなる」と引き受ける。 そして昼も夜も働き続ける。・・・こんな形を何年も続けてきたのだから、おかしくなって当たり前である。
■自動車業界のビジネス環境は変わった。
自動車の国内生産は1990年代の1300万台をピークに右肩下がりが続いている。これからも人口減少や所有からシェアへの移行などで下がり続けていくと予想されている。 なのに下請企業への価格は「量が増え続けることを前提とした価格」のままである。・・・こんなで「もつはずがない」と筆者は思うのである。
加えての昨今の物価高が拍車をかける。自動車業界では「一旦決めた価格はその部品がなくなるまで価格は変えない」のが慣行である。 それでも今までは数年に一度は車のモデルチェンジがあって、それを機に部品も新しくなる。 この時、初めて下請け企業への価格も変更されたので何とかやれた。 それが、今、「部品の共通化」や「新車ライフサイクルの長期化」で、いつまで経ってもモデルチェンジが起こらない。 今までのようにデフレ下であれば、それでも何とかできたかもしれない。 でもインフレに変わった。・・・私は、このまま今の取引慣行を続けると、自動車業界のサプライチェーンは崩壊すると思っていた。 それが、今、現実味をおびてきている。
■自動車大手企業は取引慣行を変えることを宣誓した。
さすが、日本を牽引する自動車業界である。 自工会も自動車部品工業会も、公正取引委員会のGメンによる調査を受けて「取引慣行是正に向けた徹底ルール」を公表した。これにより今迄タブーとされてきた下請企業から上位企業への価格改定具申が可能になった。
■コンサルタントの出番が求められるようになった。
哀しいことに、下請け企業は、今迄タブーとされてきたものに対応することへのためらいがある。それにやり方もわからない。会社の存続にかかわる危機的状況なのに腰上げることに躊躇している。
そこで、私は立ち上がった。自動車業界がサプライチェーンを含め全体で健全な成長を願って活動している。売価診断(その1)と(その2)を実施している。
・売価診断(その1)では、上位企業の変化と、売価改定がいかに必要か について診断している。これにより「躊躇していた上位企業への売価改定依頼を申し出る」ことの背中を押している。
・売価診断(その2)では、具体的な依頼書の作成を支援している。この手の依頼は、依頼された企業もその上の企業に売価改定のお願いをしなければならない。なので、より論理的に正しく説得力のあるものに仕上げなくてはならない。このことのお手伝いをしています。
以上

フォローアップ診断を実施しました。https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/o/o-katsumi/20231110/20231110112509.jpg
- 企 業: プレス・溶接部品メ-カ-
- 実施期間: 9月~10月 計3回
- 診断内容: 3年前に「中期経営計画策定」のお手伝いをさせて頂きました。
今回は、それから2年目の決算期が終了しましたので、計画が順調に推移しているかを診断させて頂きました。
🔷具体的な診断内容
・今までの経緯と当フォローアップ診断で明らかにすべき事項
・拡販状況を見る
・損益状況を見る
・生産性を見る
・資金状況を見る
・アクションプランの進捗を見る
・ローカルベンチマークを見る
・PPM(Product Portfolio Management)による収益改善効果を見る
・将来に向けた提案
結果はとても良好でした。
私達は沢山の企業さんを見てきましたが、今、浜松地区では自動車関連企業さんの多くが経営難で悩んでいます。その中で元気に活動されている姿は、私達支援機関は勿論のこと「ものづくりの街浜松」の地域に対しても、とても元気を与えてくれています。
🔷元気な秘訣は何か?
それは、社長さんの取り組み姿勢にあります。 「想いを 行動に移し 形にする」そんな姿勢が素晴らしい。
・想い・・・取引先さまの困りごとを解決する。それを一心に考える。
・行動に移す・・・自社の持っている技術、知見、設備、管理ノウハウの全てを使って考える。今までやったことのないこともトライする。そして後悔のない質を究める。
・形にする・・・共に繁栄することを基本とする。一方の繁栄だけではない。 中小企業の特質を考えた形を考える。大手がよく言う ”べき論” ではない。 地に足が付いた答えを出す。
🔷事務所に入ると元気が見える
トントンと階段を上がって、事務所のドアを開ける。 するとそこにショーケースがある。 覗けば、沢山の複雑形状部品が所狭しと並んでいる。 これすべてプレスで作ったと言う。 一枚の鉄板からこんな形ができるとは全く不思議に思う。 その部品の一つひとつに社長さんの想いが詰まっている。 素人の私に熱心に教えてくれる。 「この深絞り成型は、西部地区でやれるプレス屋さんはないと思う」「そりゃ凄い」「今はアルミでトライしている。あとちょっとまできた」「コストは工程が少なくなった分だけ型費が安くなる。ここんとこをお客さんに分かってもらいたいがなかなか難しい。 その分も安くしろと言う。 双方あゆみ寄りができればもっと広がるのになぁ~」・・・と、熱弁はいつまでも続く
4.BBHならではの活動
このフォローアップ診断は、県信用保証協会さんからの依頼で対応したものです。それにメインバンクさんも加わって頂き、三社の意見を頂きながら進めました。 三社が連携してより良い企業さんのサポートができればと思っています。 こんなことも対応できるところが私達の強みです。
- さいごに
この素晴らしい企業さんに興味がある方はご連絡ください。
紹介させて頂きます。

その他にも記事が沢山あります。
こちらも、ご覧ください。
経営力向上のために何をなすべきか?
前回に続いて、より良い提案をするための「5つのこだわり」の2つ目のこだわりを紹介する。コンサルタントとしても、会社員としても大事な視点であるので、心に留めて置いて欲しい。

私がいた会社はトップがよく代わった。
大手自動車会社のグループ会社であったから、中核会社の事情も加わり交代が多かった。 新しくきたトップは必ずと言っていいほど、従業員の中からキーパーソンからヒャリングを行った。 会社の現状を把握して、自分の路線を引くためである。
しばらくすると、ヒャリング結果をまとめて「当社の課題はこれだ」と発表する。私がいた間に同じ光景が3度あった。 驚くことに、この3度とも同じことを言った。 「時間かけて分析した結果がこれかよ!」・・・と思った。 つまり、この3代のトップは何もしてこなかったことになる。
トップが変わっても会社は変わらない。典型的な事象だ! 変わるたびに施策がリセットされ、また、同じことをやり始める。 4~5年過ぎると「はい次!」と交代になる。
あっ、言っときますが、私が担当した経理財務は変わりましたよ。出向した時は「何もしない経理財務」と言われていたが、5年間でみごと「経営の中枢機構」に引上げましたよ。詳しくはまた別の機会で紹介したいと思いますが、話を元に戻したいと思います。
会社退職後のコンサル業の中でも同じことに遭遇している。それも、何度も遭遇する。 大手企業と違ってトップが何度も代わるということはないが、会社の課題は?・・・と問うと、帰ってくる答えは「もう何年も同じ」という言葉から始まる。 そんな会社に多いのが下のような事象だ。
・夢は語るが、計画を語らない。
(夢に近づく道のりが示されていないので、いつまで経っても夢のまゝ)
・たくさんのスローガンがあっちこっちに貼ってある。
(言っても、いっても変わらないので、次からつぎへとスローガンを増やす)
・「昔はなぁ~」とよく言う。
(変化の多い時代、昔流では人は動かない)
・「あれやれ、これやれ」と怒涛の如くハッパをかける。
(声の大きさで人が動くのではない。プロセスが分らいでは右往左往するばかり)
・・・書き出したらキリがない。 いずれも夢に近づけない会社の特徴である。
なぜ、こんなことが起こるのか?
その答えが、冒頭の図である。
ポイントは、PDCAを回せる環境を作ることです。それには大事なことが2つあります。
①誰もが納得する計画作り
納得しなかったら人は動かない。勿論、人はいくつもの考えを持つもの。それを説得するための情報提供もしなければならない。 会社にとって、いいことも、悪いことも全てを見せることが必要になる。
②計画とアクションプランを作成すること。
計画とは、目的地、道のり、そこまでたどり着くことができる準備と道具建てを示すことです。 アクションプランとは、目的地まで行く過程で、待ち受けるの壁にどんなものがあり、それを、いつまでに、どう乗り越えるのかをスケジューリングすることです。
これなくして、貴方の会社は、いつまでも同じところをグルグル回る羽目となる。
だから私達コンサルタントは、、計画を作るために徹底的に議論します。 この過程で、クライアントさんには厳しいことも言いますし、社長さんにいい加減な妥協をしたりしません。とにかくしっこく食い下がり議論をしていきます。
この前なんかは「すべて否定されちゃぁやってられん!」と怒り出す社長さんもいました。 これは敢えて反対のことを言い、それを理論的に返せるかを見る私の手法なのです。 もちろん、社長さんの態度も想定内のこと。ここで諦めません。
私達は、アマノジャクでもあり、粘着質(友からよく言われる)でもあるのです。
とにかく、いいことも、悪いことも乗り越えて作った計画ほど納得感が得られるものはないと思っています。

こんなこともあるのですよ!
クライアントさんに「事業計画を見せて下さい」とお願いし、持ってきた事業計画を見て『ブールタスお前もか?』と思わず息を呑む。
そこにはギッシリ数字が並んでる。 いくら見ても施策が見えてこない。 こんなに悪いのに、ある日を境に、どんどん良くなる数字が並んでいる。 そう、「今日はダメでも明日はよくなる」と希望的観測の数字の羅列。大前研一氏がいう「ホッケー曲線」というものだ。
我々の苦労はここから始まる。
・まず、現状のまま行くと、経営はどうなるかを予測する。
・ありたい目標値と比べ、ギャップの大きさを見る。
・次に、そのギャップをどう埋めていくかを考える。 一般論ではなく、「市場動向」「競合他社の動き」「自社の力」を見ながら、その会社に最も合ったものを描く。
・そうは言っても、描いた道のりは、山あり、谷ありのいばらの道となることが多い。それをどう乗り越えていくかを考え、時間軸を加えてスケジューリングする。
・・・と、まー、こんな手順でやっていく訳だが、読者の方は「まーなんてメンドクサイことを!」と思われることでしょう。 そう心配することはありません。経営者の貴方の頭の中にはオポロゲながらあるはずです。 それを人に分り易く紙に書くことができないだけです。 我々が、うまく、引き出して見せます。
さーこれで、PDCAを回せる環境ができた訳です。あとはKPT手法などを使って、実施したことを振り返りながらローリングプランを作っていけばいいのです。 夢に近づくためにはこれしかありません。我々はこれに拘ります。
この流れは、サラリーマン個人の目標管理でも全く同じであります。自分流でこのストリーづけできると「奴はできる!」と評価されるのは間違いない。
話は長くなりましたが、より良い提案をするための5つのこだわりは、まだまだ続きます。 3つ目のこだわりは・・・・・・・。
より良い提案をするための「5つのこだわり」
久しぶりの投稿である。
何社か並行して支援をしていると、いろんなことが頭に残り、その会社に切り替えるのに時間がかかる。 なにしろ、一つ会社のことを考えると、朝も、昼も、夜も、ずーと、その会社のことだけを考える。 そうしないと、その会社の社長さん以上のことは浮かんでこない。 そんな生活が4ケ月続いた。 今、その区切りがついた。 で、投稿することにした。
私達は、静岡県西部地区でNOワンのコンサルファームになることを合言葉に頑張っている。 それが少しづつ見えてきた。
ポイントは「他のコンサルタントでは出来ないことをやる!」と言うこと。 今から、その極意を5つ申し上げる。 コンサルタントは勿論であるが、会社でも、サラリーマンで同じだと思うので是非活用して欲しい。
1.チームコンサルティング

課題とは、幾つもの問題が重なっていることがある。 それを、闇雲にカエル叩きしても成果は出てこないものだ。 真因を見つけ出し、それに照準を合わせて力いっぱい叩く必要がある。 経営資源(リソーセス)に限度がある中小企業ではなおさらである。
一人で2つの眼でみるよりも、4つ、6つと多くの眼で見ると違ったものが見えてくる。 だから、まずは、個の力を過信するよりも、志を同じくするもので、協力し合って、共に考えることを勧める。
ところが、人が増えると、それなりに大変である。
我々は意志統一に多くの時間をかける。拘りの塊みたいな専門家同士だから、それはまー大変である。 だけど、そう心配することはない。 的を得た発言をする人には賛同者も集まる。 時間が経つにつれて答えはまとまってくるものである。

サラリーマンの人も同じである。 私は現役時代は、部下からよく言われたものだ。 「うちの会社はパワーゲームだから、ここは、ガッ―ンとやって下さい!」
・・・そうは言っても、私は外から来た人間だから、パワーでは勝てない。 そこで、まともな発言をする人に賛意を送り、寄り添うことで、一人づつ仲間を増やしていった。 その甲斐があって半分の人は私についてきてくれた。 なのでやり方はいくらでもあると思う。 貴方にあったやり方を考え、チーム編成をやってみて下さい。
ところで、冒頭で、「社長さんの言う課題を解決しても・・・」と言いましたが、そのことに、ちょっと触れてみたいと思います。
「売上が減った。増やせば利益も何とかなる。」と、営業に怒涛のごとくハッパをかける社長さんがいた。いろいろ調べると、利益の出ない品物を死に物狂いで売りに出ている。 季節変動の波が原因なのに売れる時期だけに力を入れている。だから売れる時期に合わせて固定費も増加し、繁閑のギャップがますます大きくなってきている。 生産性を考えないから製造現場では忙しくなるとほとに、ますますムダが大きくなっている。・・・こんな姿を私達は沢山見てきました。 経営はバランスと言われる由縁です。 そんなことを紐解きながら社長さんに意見具申している。
2つ目のこだわりは・・・・
「広げて絞り込む」これが我々のコンサル手法
私達のコンサルタント集団では「チームコンサルティング」を強みとしております。 今日はそんな裏舞台を紹介したいと思います。
オファーを頂きますと、まずは、専任の者が企業様を訪問して、ご要望をしっかりお聞きします。 その上で最適メンバーを選出し、コンサルティングの方法を議論しあいます。 ここが、他の個人専門家とは違ったところになります。
実は、正直言いますと、ここが大変難しいのです。
なにしろ、各分野で活躍している専門家どうしがぶつかり合って議論するのですから、議論はドンドン広がってきますし、突然、各論をぶつけてくる者もいますし、とにかく大変です。 でもそこは、さすがにプロ、一番優れた考えに集約されていくのです。 白熱していた議論も時間が経つにつれて次第に治まってきます。 こうして答えを導き出します。
と言うように、ここまで来るのに一苦労ですが、このことがとても良い結果を生むのです。 なにしろ、企業様が抱えている課題を複数の専門家が多面的に捉え、その解決方法を探っていくのですから、企業様からどんな要望が出ても、だいたいは対応できるわけです。
そう、私達のコンサル手法は「広げて絞り込む」です。
ここに、私達は、他のコンサルタントにはない「実践的で実現性の高い提案」ができる価値を見つけ出しているのです。
文責 大石勝美

えっ!、こんな会社が「Tir1」になった。
地元の商工会議所に「経営発達支援計画」が国に認定されました。この中で伴走型支援として我々のベストブレーン浜松がお手伝いすることになりました。
先日、その1回目の企業訪問がありました。
そして、思いました。
中小企業はなくてはならないことを。
「こんな仕事、大手はやらんよなー」と、改めて感じました。
でも、こんな仕事をやって大手を支えているのです。
中小企業が活きていく道は・・・・「人が出来ないことをやる!」か「人がやらないことをやる!」 きれいごとばかりでは生きていけません。 この方針で大手企業のTir1になった会社を幾つも知っています。
そんなことを、この「ものづくりドック」で伝えていきます。


コロナなんて関係ない。
田舎つれづれ日記
3月、4月はコロナウイルス対策のため家で仕事をする機会がめっきり増えてしまった。 これじゃあー、糖尿病には良くないと山に行った。 ここに来るとやることがいっぱいある。 昨年の夏にマムシと戦った時に、とぐろを巻いていたところを垣根ごとツルハシで思い切りバシッとやった。 マムシは逃げたが垣根は見事に壊れた。 そしたら、そこから鹿が入込み、大事に育てていた花芽をムシャムシャと遠慮なしにやられた。 今日はその補修をやった。
天気は風もなし快晴。風がちょっと冷たいが、ここにはコロナはいない。 3密なんて関係ない。 なんたって、ここは山奥、誰もいない。隣の部落は1㎞も離れている。 出会うのは鹿、イノシシ、マムシぐらい。・・・考えてみれば、こんないいところはない。

消費者心理とは案外うぶなもの
おー、そうなんだ! ちょっと感動した。でも、初めから自信がなかったんじゃぁ~ないの! なんて思ったりもした。
私は、いつかは村一番の庭・・・と思い、せっせとツルハシをかざし開墾を続けている。 友達の干柿づくりを見て『田舎暮らしをするんだったらこれだよなー』と思い、2本の苗を植えた。 そしたら見事枯れた。 よく見たら値札に「半年以内に枯れたら交換します」と書かれていた。 早速、写真を撮って店にいく。 なにも言わず交換してくれた。、

それが、前出の私の感想である。 だって、私は保証書があったから買ったわけではない。 後で知って「ラッキー」と思っただけだから。・・・・でも、なぜか私はこの店のファンになった。 消費者心理とは案外うぶななもの
元気な地場企業に学ぶ
今、静岡県西部地区の中小企業は元気がなくなっている。基幹産業である二輪、四輪、楽器、などが生産拠点を海外に移転していることや、人口減少により国内市場が飽和状態にあることが起因している。
私達が企業さんから受ける相談も、販路拡大(売上減少問題)や、競争激化による経営難がとても多くなっており、各企業さんが悪戦苦闘されていることを肌で感じている。
そんな、中でも、元気な企業さんがいらっしゃる。 それは不思議と創業50年以上の2代目社長さんの会社に多い。
なるほどなーと思うことは、この50年は、「1973年1次オイルショック」「1991年バブル崩壊」「1997年アジア金融危機」「2008年リーマンショック」「2011年東日本大震災」と経済変動の大波を受けた時代である。
この波を乗り越えてきたところにヒントがある。
①倒産危機に瀕した時にしか見えないものを持っている。 ②自分の代で経験できなくても「先代の背中と帝王学」で大事なものが引き継がれている。 ③売る物は、商品だけではなく、大事な「コアバリュー」が何かを知っている。
そになことが、ゾクゾクと出てくる。
▲もし、貴方の会社が創業50年以上だったら、あの時を思い出して欲しい。 今を乗り越えるヒントがあるはずである。
▲もし、あなたの会社が創業間もない会社だったら、先輩会社の経営術を聞いて欲しい。 そして、これから来るだろう大波にどう乗り切っていくかが見えてくるはずである。
今回は、この素晴らしい経営者さんから企業理念や経営戦略をお聞きしながら、私達コンサル集団が多くの企業さんと共に歩んできた経験からの質問もさせて頂き、「元気になる秘訣」を浮かびあげさせるお手伝いができればと思っております。 どうか、ご期待下さい。 それでは会場でお会いできることを楽しみにしております。
●詳細の問い合わせ先: 袋井商工会議所 0538-42-6151 ●企画・協力: 地元のコンサル集団 経営革新グループ ベストブレーン浜松 代表:大石勝美 090-1820-9641 事務局長:細谷有輝 090-4861-8527

私達コンサルも「ダ・ヴィンチ」 (7)
ベトナム政府・外部団体に「IoTを活用した日本式カイゼンノウハウを伝える」と題してプレゼンをした。
■IoTと専門家のドッキング方法
相手はベトナム、我々は日本。 どうやて、我々の知識を遠隔地のベトナムに伝えるか? を考えた。
私は「ダビンチ」というロボット手術をしたことがある。その病院では、私が15症例目だと言う。年間300件以上も手術をしている大病院であるがこの方法で手術をするのは15件目だと言う。ちょっと不安になったが理論的にはいいに決まっているので意を決して臨んだものだ。
この方法は、もともと軍事用に開発されたものらしい。戦場で傷ついた人を遠隔地操作で手術をする方法である。 遠く離れた医師が画面の中で手足を使って手術をしていく。 そうすると現場では医師の動きに合わせてロボットが手術していくといった具合だ。・・・これだと思った。
現場の状況を動画で見ることができれば、我々でも分析、解決策を指示できると。そんな方法を考え出した。

これが私たちの付加価値である。
新しいビジネスモデルを創り上げた。 これは海外だけでなく、日本国内でも通用するものである。 私達の活動が全国展開していくことに期待している。

■さいごに
素晴らしい「IT企業」と「ベストブレーン浜松」がアライアンスを組めたことに感謝いたします。この素晴らしいビジネスモデルがますます発展していきますことをお約束いたします。
他のコンサルタントは「そんなことやってもムダ」と言う。 我々は「素晴らしい方法」と勧める。 そこが我々の違うところ(6)
ベトナム政府・外部団体に「IoTを活用した日本式カイゼンノウハウを伝える」と題してプレゼンをした。
■人の動作を考える。
同じ設備を使って、同じ方法(人の動作)で作っても、同じようにできない。
自動車業界では、海外で生産する場合「日本の原価」が基準になる。つまり、どこの国で作っても同じ原価で作れ! と言うことになる。 だから、日本で設備をつくり、日本式製造ラインを引き、実際に作ってみる。 そして、決められた品質、コストをクリアできることを確認をしてから、そっくり、そのまま海外に持っていき生産を開始する。 なのに、不思議と海外では同じものができない。
なぜだ!。と聞くと、同じ金型、プレス機を使っても素材が違う。 日本の鋼材は素晴らしい。でもここの鋼材はそこまでいっていない。「日本のものづくりは鉄づくりと共に成長してきた」と言う。 ならばと、日系高炉メーカーから高い鋼材を引っ張ってくる。 でもできない。 なぜだ!。と、また聞く。 「日本人と同じように匠の技術で研磨することはできない。同じようにやると我々は、すぐに腱鞘炎になってしまう」
こんなやり取りを海外工場とよくやったものである。 当たり前のことだが、設備だけではなく人の動作についても研究をしなくてはならないことを痛感した。
■動作解析方法
以前は、ストッポッチを持って現場作業を計測しまくった。そのうち右手だけでなく、左手も、足も使うようになる。そうなるとストッポッチがいくらあっても足らなくなる。 同時に作業者の動作を頭の中に焼き込んでいかなければならない。・・・動作解析はドンドン複雑になってきた。こうなると、これができる専門家は限られてくる。
そうなると、専門家がいない海外工場での動作がまずいからと言って、現場が見えない日本の専門家が指示を出すことなどできなくなる。それを無理して、言葉でやり取りするから何時間経っても答えが出せない。
そんな状況が IoT の発達で少し変わってきた。 人の動作を動画に撮ってクラウドに送りITを使って解析をさせる。すると「カイゼン4種の神器」がoutputされてくる。 いよいよ遠隔操作が始まる時代となった。

■カイゼン4種の神器
大手企業では現場改善を行う場合、なくてはならない分析手法が4つある。それが簡単にできるようになってきたことを説明した。 かくして「カイゼン4種の神器」は「カイゼン4つの救世主」となった。
①動作解析表・・・人の動作の中から「付加価値を生まない動作」や「要時間短縮動作」を「トヨタ生産方式7つのムダ」や「ハンドタイム短縮11の視点」を使ってPickupしていく作業。これを通して正常なタクトタイム(各人の作業スピード)を割り出す。
②山崩し表・・・1つのラインには何人にも人がつく。1人だけが頑張っても、遅い人がいると、その人に足を引っ張られ、結局ラインの出来高は一番遅い人の時間になってしまう。これを無くすために全員の負荷を平準化させラインスピードを最高にさせる必要がある。これを検討するための表である。これを通してサイクルタイム(ライン全体のスピード)の短縮を図る。
③組合せ表・・・いくら早いマシンを導入しても、人の動作が遅いと、マシンは人の動作が終わるまで待つ(手待ち時間)ことになる。 このため、人とマシンの最的な組み合わせを創り出す必要がある。この検討に使うのがこの表である。
④作業標準書・・・上記の分析で得られた「ベスト動作(手順)」を一時的なもので終わらせないで継続させなければならない。これを実現させるのがこの表である。最近では外国就労者への作業説明書としても動画を使ったものが重要視されている。