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無借金経営の道のり(その2)

目次

13.親子間取引にもビジネスライク感覚を持つ・・・4/17投稿

14.財務改善は全社で取り組む仕掛けつくりが必要・・・4/17投稿

15.人を動かすKPI指標・・・・・・・・4/19投稿

 

 

13.親子間取引にもビジネスライク感覚を持つ

調査に行っていた部下が戻ってきた。
さっそく財務部長に近づいてきて、息を弾ませながら喋り始めた。
「部長!、仰る通りでした。 前々から、なんだかおかしいと思っていたのですが、やっぱりそうでした。」・・・話の内容は、全くわからなかったが、息もせず立て続けに喋る姿から、「これは、何か掴んできたな」・・・と、思った。

しばらくしてから、今度は、ゆっくりした口調で喋り始めた。
「やっぱり、親会社の売掛金が膨らんでいました。」
「国内取引先は大手企業ですから、約束通り支払いをしてくれていました。」
「問題は海外子会社からの回収です。」
「あれだけ約束していたのに、営業はまったくだらしがない。・・・それに僕らも、それをなにも指摘していなかった。」
そのごも、反省と後悔の念がとうとうと続いた。

話を整理するとこんな具合だった。
親子間の決済とは、とかくルーズになりがちである。
それを正そうと、「インボイス・ネゴ」という仕組みを導入した。
これは、輸出手形ではなく、インボイスの状態で、金融機関に割引に出す仕組みのことである。 こうすることで、外部の金融機関を介在させ、親子間の甘えを払拭させようとした先輩財務部長の残した素晴らしい企てであった。

ところが、この仕組みがまわっていないと言うのだ。
昨今の、円・ドル為替の乱高下と、円とドル金利の差も手伝って、財務担当者の頭を悩ませていた。 その結果、インボイス・ネゴをしていなかったと言う訳だ。
「親子の甘え」はあっという間に、悪しき時代に戻ってしまった。

もう一つの問題は、コンテナの空きスペースを無くすために、なんと、オーダー以上の出荷をして、それを請求していたのである。 担当者は輸送コストを引き下げるために良きこととして、実施をつづけていたのである。 これも、根は同じで「親子間の甘え」が起因していた。

財務部長は、この状況を聴き「親子間の甘えの断絶」と「為替管理方法の仕組みつくり」を指示した。

 

 

14.財務改善は全社で取組む仕掛けつくりが必要

もう、一つの調査隊が戻ってきた。
海外生産拠点の生産管理方法を調査していた部隊である。

「部長!、報告します。」
「これは、なかなか難しい問題です。」
「こちらを立てれば、あちらが立たない。・・・・ちょっと、一筋縄ではいきそうもありません。」

否定的な言葉で始まったことに、財務部長は顔を曇らせた。

報告は続く。
「海外は、国内と違って、納入先が遠くはなれています。 とても、多回納入は難しく、在庫を持って納入調整をしなければならない状況が続いています。」
財務部長がすかさず口をはさむ。
「だけど、海外子会社はCIM1(日本と同じ価格)だよな!。 納入価格が同じで、在庫コストがかかるのでは、どこで、この差をとりもどすんだよ!。 そんなに、早く諦める訳にはいかんぞ!」
ちょっと、険悪ムードが漂った。

「そうは、いっても・・・・・」
部下の報告は、とぎれとぎれになってきた。
「仕掛品の中間在庫は日本に比べてどうなんだ。 リードタイムに問題はないのか?。 完成品の在庫が多いのはまだ分かるが、原材料がこんなに多いのはおかしいんじゃないのか? 鉄は日本から持っていくのか?。 現地調達はできないのか?。 高炉メーカーも海外に進出しているのに、なぜ、日本と同じことができないんだ。」


財務部長は、目の付け所を、一気に喋り始めた。

部下は、もう、一言も言えなくっていた。

同時に「財務の仕事の範囲が、このように広いものか」と、自分の狭さを改めて嚙みしめていた。

さすが財務部長である。
それから1週間たった時だった。
「SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)」チームを立ち上げた。
その、責任者には、もっとも鋼材知識に詳しい商社である子会社の社長がついた。
合わせて、日本本社には「売上債権の短縮」を、海外子会社には「在庫圧縮」の目標を事業計画の中に入れさせた。

 こうして、

運転資金の徹底した圧縮は、

ゆっくりではあるが、確実な一歩を踏み出していった。

 

 

19.人を動かすKPI指標

人は簡単には動かない。

「がんばれ!」って言ったって、 「何をどう頑張ればいいのさ!」といった具合だ。

SCM(サプライ チェーン マネジメント)チームを立ち上げたとか、 事業計画に織り込んだと言ったところで、人はそう簡単には動いてくれない。

そんな悩みを解決してくれるのがKPI(キーパ フォ―マンス インディケーター)だ!。

 

財務部長は、この運転資金の圧縮を次のように各部に説明した。

「我社は事業再編投資のために銀行から150億円の借入をした。 この借入を5年で返却をしたい。 それが出来ないようでは、次の拡大投資ができなくなる。 なんとしても5年でかえしたい。」

厳しい顔つきで、瞬きもしないで、前を向いた姿勢から、その真剣さが伝わってきた。

 

財務部長は説明を進めた。 「まずは、運転資金の徹底した圧縮を図りたい。 これを実現させるために、役員会で、C/Fグローバルスタンダードを決定した。 各社、各部とも、この指標の実現に全力を尽くしてほしい。

 

 

無借金経営への道のり。(その1)

目次

はじめに・・・・・・・・・・・・4/16投稿

10.借りた金を返す。・・・・・・・4/10投稿

11.財務部長が下した苦肉の策・・・4/15投稿

12.運転資金は、こう見る・・・・・・4/15投稿

 

 はじめに

この物語は、ある会社が無借金経営を実現するにあたって、臨み続けた実話をベースにして、それを今風にアレンジしてノンセクションとして書いたものである。
登場する人物や、掲げた数字は全て架空のものである。
 私は、若手財務マンが学校で学んできた知識だけでは、実際の場面で動けないことを沢山見てきた。それは、実務は知識だけでなく、実際の場面での経験や実態を感じ取る能力がないと動けないことだと思っている。 まさに、これは、自ら動いて体験することしか得られないことであり。この一歩踏み出すための情報を提供したいと常づね思っていた。この投稿が、その一助になってくれれば大変うれしい。

 さて、話を戻して、本投稿に入る前の状況について若干ふれることにする。
これは、前投稿「これぞ財務部門のキャシュフロー計画」からの続きである。

事業再編にかかる巨額投資を、財務部長は、自己資金と外部からの借入金で賄ったわけだったが、あれだけの大きな融資をまとめた手腕は見事であった。
ただ、一時的にしろ、借入金を導入したことで、過ってのような健全な財務状況は少し後戻りしてしまった。
それを取り返すために、新たな挑戦が、また、始まったのである。
この新たな挑戦とは、「いったいどんな動きをするべきなのか?」
これが、今回の投稿の趣旨である。

 

 

10.借りた金を返す。

前章で説明したように、事業再編にかかる初期投資資金は、自己資金100億円と銀行からの借入金50億円及び増資で、なんとか対応することが出来たと思いますが、今度は、借りた金をどう返すかを考えてみたいと思います。
その額は150億円(設備50億円+海外生産拠点の土地・建屋の一部100億円)と仮定して話を続けます。


財務部長は、もう1年近くも、銀行と話を続けていた。
いままで良好の関係を築いてきた甲斐があり、各銀行も前向きに対応してくれた。
が、やっぱり150億円ともなると、あれやこれやの資料も作らなければならないし、説明も多くなる。そんな状態が1年も続いていたのだ。
身心ともに疲れ切っていた。
やっとの思いで、話をまとめることができたが、休むことはできなかった。
「借りた150億円を5年で返さなければならない」からだ。
これは、銀行から出された条件ではなかった。
これくらいのスピード感を持って、返済をしなければ会社のためにならないと、財務部長自らの想いで、銀行に提示した約束ごとであった。
しかし、その約束を果たすことは、そう簡単ではない。
そう、思うと休んでなんておられなかった。

銀行に提出した資料を前に、当時のことを思い浮かべていた。
「最近こそEBTD/Aは1ケタ止まりであるが、以前は2ケタが続いていたんだから・・・、あの当時に戻れば、5年で150億円の金はぜったい創り出せるはずだ!」(その1-4.「過去分析でキャシュフローのクセを掴む」を参照)

 

「それに、新しいビジネスも加わるのだから、この位のことができなくてどうするんだ~」・・・と、強気に主張したことを思い出していた。

 

財務部長は、早速、数年前の財務体質作りに動き出していた。

 

 

11.財務部長が下した苦肉の策

財務部長は、財務改善の基本は、「利益UP」と「価値増殖循環のスピード」にあることを知っていた。
本来ならば、その両方を同時並行で進めていくべきであるが、
財務部長は「価値増殖循環」の実態調査を部下に指示を出した。
指示を受けた部下たちは「なんで・・・、また、俺たちだけが」と思った。
これは、大量の仕事の移管を受けて現場は大混乱の中にあったので、これ以上の混乱を避けるために、あえて、現場を巻き込むことを避けた指示であった。
財務部長とは、こんな配慮もできなければならない。
とにかく、全体を動かして、初めて成し得ることなので、会社の隅々まで、知っていなければならない。

 

 

 

 

12.運転資金は、こう見る。

財務部長は、財務諸表から運転資金の概要を掴むことを始めた。
数年の財務諸表を並べ、その変化を確認していた。
「うーん、運転資金はほぼバランスがとれているし、問題ないようだな!」
普通はこれでおしまい。次に行こうっとなる。
ところが、財務部長はそうでなかった。
「収支バランスは取れているが、もっと流動資産を圧縮できないものか?」
「財務改善とは資産をトコトン圧縮させて、スリムにすることだよな!」
と、ブツブツ言いながら、資料から目を離さなかった。

 

しばらくして、財務部長はあることに気が付いた。
それは、連結の売上債権は2.0ケ月に対して、親会社は2.5ケ月もあることに「何だこれは!」と思った。
それとは逆に、棚卸資産が連結では0.5ケ月も多くなることであった。親会社は「徹底した在庫削減を展開し0.3ケ月の量で廻しているのに・・・ははぁん~、海外子会社はまだまだ知恵の出し方がたらんな!」と思った。

早速、部下に指示を飛ばした。
「財務は、机にしがみついていたんでは、いい仕事ができんぞー」
「現場にいって見てきなさい」
いつもにまして声高らかに激を飛ばした。

 

 

 

 

 

これぞ財務部のキャシュフロー計画(その3)

目次

7.いきなり「会社全体のキャシュフロー」は算出できない。・・・4/5投稿

8.使える資金量を読む・・・・・・・・・・・・・4/7投稿

9.私だったら、きっと、こう答えるだろう・・・・4/7投稿

 

7.いきなり「会社全体のキャシュフロー」は算出できない。

大手企業ともなれば沢山のグループ会社を抱えているのが普通です。
しかも、親会社などの中枢機関が、グループ各社の資金状況を見ながら、全体をうまくコントロールしています。

それは、各社間で資金を融通し合って余分な外部調達を回避させるとか、外為のネッティング、資金調達の1本化など、さまざまな資金調整を行っています。

ここで、大事なことは、管理単位は各グループ会社ごとだということです。グループ各社をひくっくるめて、その平均値で判断していはいけないということです。

国が変われば「市場動向」も「金融環境」も違うからです。

売上高が同じでも、モデルミックスが変われば、限界利益が大きく変わってくるのと同じように、カンパニーミックスが変われば、やっぱり、全体のキャシュフローも変わってくるのです。

ですから、キャシュフロー計画を作成する場合でも、いきなり会社全体のキャシュフローを作成するのではなく、個々のグループ会社ごとのキャシュフロー計画を作成して、それらを合算する形で会社全体のキャシュフロー計画を作成して下さい。

 

 

8.使える資金量を読む

いよいよ仕事も佳境に入ってきました。
今までは、「自社のキャシュフローを読む」作業を進めてきたわけですが、
これに加えて「外部金融機関からいくら調達できるか」も検討しなければなくなるはずです。
それは、事業再編で移管されてくる規模がとても大きいからです。
お聞きしているところによれば、その規模は「自社と同じくらい」とのことですから、これにかかる資金も半端なものではないでしょう。 自己資金だけでは到底対応できなでしようから、銀行借入も同時に検討しければなりません。

ところが、銀行にはBIS基準というものがあって、財務基盤の弱い取引先にはあまり良い顔をしてくれません。 ただ、今は「金融緩和」の時代ですから、借りてくれるところがあれば、「ここぞ!」とばかりに、行き過ぎた提案をしてくることもあるかもしれません。


やはり、最後は、自分の考えが大事になります。

銀行の与信枠を横目で見ながら、貴方の「適正な財務内容とする指針」を守りながら、構造改革投資に使える額を決定することが大事だと思います。

それでは、以上のことを踏まえて「使える資金枠の算出方法」を下図に示します。

 

 

9.私だったら、きっと、こう答えるだろう!

前章で「使える資金枠を読む」ための流れを図示しましたが、
これを、こと細かに説明していくのは読者にとってつらいことだと思いますので、
ここは、物語風に書いてみますので、楽しみながらお読みください。
なお、このストーリーは、私が勝手に想像したもので、事実とは異なりますのでご注意願います。


コツコツ・・・・
財務部長は、神妙な顔つきで、社長室のドアを叩いた。
「おー、やっときたか。待ってたぞ!」
いつもの優しい声が聞こえてきた。
神妙な気持ちが少し楽になった。

ソファーに腰を下ろし、持ってきた資料を開き、社長の前に指し出す。
資料にはグループ会社のキャシュフロー計画がぎっしり書かれていた。
しばらく、無言のまま、資料を追う社長の目が止まるのを待った。

頃合いを計りながら、静かに話し出す。

「社長、5年先までのキャシュフローを検討してみました」
「残念ながら、海外投資がまだリターンを生むまでに至っていないので、 もうしばらく先行投資の状態が続きそうです。」
「そのため、5年間で生み出されるキャシュは、殆ど期待できません。」

この瞬間、社長の顔が、少し曇ったように感じた。

まずいと思い、話を先に進めた。
「でも、今まで、財務内容の改善に勤めてきましたので、その貯金があります。」
「現預金は130億円程度あります。 適正とされる財務指標の流動比率が100%とすれば、この基準を上回る額が100億円程度になります。」

「それに、自己資本比率は50%を超えるところまで来ています。 これが40%まで下がったとしても、立派な財務内容だと思います。 」
「つまり、この50%と40%の差である10%の範囲だったら、銀行も貸してくれると思います。 総資産が860億円ですから、この10%は86億円程度になります。・・・」

「ですから、手持ち資金の100億円と、借入の86億円の合計190億円程度は使えることになります」

 ここまで、一気に喋った。
社長の顔はまだ明るさを取り戻していなかった。

 まずい、まずい、ここで止まってはいけない。・・・そう思って、
焦り気味に、話をつづけた。

 「今回の業務移管に必要な初期投資は、機械設備と工具類で150億円ですから、これは充分に賄えると思います。 問題は土地、建物の不動産関係にかかる初期投資をどうするかだと思います。 使える資金は、あと40億円しかありませんので・・・ちょっと足りませんね。」

「足らない分は、銀行から借りましょう!。・・・新たに移管されてくるビジネスで、その位の資金は捻出できるでしょう。 5年間でその資金を稼ぎ出せれば銀行も応じてくれると思います。」
「それに、土地、建屋は資本財ですから、親会社からの増資でもいいですよね。 普通はそうすると思いますが・・・・・。 まあー、ここは社長のお考えで・・・」

 

今度は、社長が、小さくうなずいた。
同時に、ある思いを持たれたような顔つきに変わった。

こうして、財務部長は無事、説明を終えて、社長室をあとにした。
そのうしろ姿はちょっぴり寂しそうだった。
それは、今まで、財務内容の改善に必死に力を注いできて、やっと自己資本比率が50%を超えるところまできたのに、また、一歩、後戻りしたことからだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これぞ財務部のキャシュフロー計画(その2)

目次

5.会社にもライフサイクルがある。・・・・3/25投稿

6.ライフサイクルの特性を生かして資金重要を読む・・・4/3投稿

7.いきなり「会社全体のキャシュフロー」は算出できない・・・ 

 

5.会社にもライフサイクルがある。

前章で、先行投資の「効果がいつ出てくるか?」を見極める必要があると書きましたが、「そんなことはできないぞ」っと思われる方もいると思います。

そんな方のために、取って置きの方法を披露いたします。

 

実は、会社にも、人間と同じように「誕生」から「死」に至るまでの間を、幾つかのパターンに区別することができるのです。これを企業のライフサイクルと呼びますが、このパターン毎に「利益」や「資金需要」に一定の形で変化が出て来ます。

 

ちょうど、私達が「成長期」には食欲が旺盛になりエンゲル係数が急騰したり、育児に手が離れた「安定期」に入ると幾何の蓄えができたり、それもつかの間「更年期障害」に悩むようになると医療費の支出が急増して生活難に陥ったりするのと同じようなことが会社でも起こるのです。

 

 

 6.ライフサイクルの特性を生かして資金重要を読む

このライフサイクルでの各ステージに起こる事象を注意深く見ていると、資金の流れが予測できるようになります。

そうです。あの有名なPPM(プロダクト ポートフォリオ)理論と同じなんです。どのステージで金を使い、どのステージになったらキャシュインをさせるかと言うことは、PPM理論とまったく同じです。

この特性を頭に入れて、目を光からせて行けばいいのです。

日頃の会議から得られる情報で、グループ会社別に、事業別に、どのステージにあるかぐらいは充分判断できます。

これをうまく使って、将来の資金需要を予測して行けばいいのです。

例えば、

「この会社は成長期に差し掛かってきたので、まとまった資金をつぎ込み本格的な成長を実現させなければならない」とか、「この会社は躍進期に入ったから、これからは、資金の出し手になって貰わないと!」・・・と言った具合に、会社毎にステージを確認しながら、資金の「出し手」と「使い手」に分けていくのです。

 

 そして、次に具体的な額を見込んでいきます。

まず、グループ各社の「5年先までのフリーキャシュフロー」を算出します。

   フリーキャシュフロー=利益+償却費-設備投資

使う項目は、「利益」「償却費」「設備投資」の3つだけですから、たとえ、事業計画がなくても、日ごろの会議情報でおおよその予測はつくはずです。 

こうして算出されたグループ各社のフリーキャシュフローを合算すれば、会社全体のキャシュフロー計画が完成されたことになります。

 

 

7.いきなり「会社全体のキャシュフロー」は算出できない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これぞ財務部のキャシュフロー計画(その1)

1.はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・3/17投稿

2.なぜ財務部員はキャシュフロー計画書がつくれないのか?・・・3/21投稿

3.さすが財務部と言われるために・・・・・・・3/21投稿

4. 過去分析でキャシュフローのクセを掴む・・・3/25投稿

5.

 

 

1.はじめに

先日、ある企業トップの方から、こんな話を伺った。

「念願だった事業再編に目途が着いた」
「他企業からの仕事の移管もあり、売上が倍増することになりそうである」
「仕事はものすごく忙しくなるが、従業員の頑張りで、なんとかこなすことができそうである。」
「量が増えた分だけ利益も増えるから、経営は素晴らしい結果が残せそうである。」
「ただ、資金がもつかどうかが心配である。こればっかりは、私のような素人ではかたきっし見当がつかない。」

・・・と、大事を成しとげた自信たっぷりの姿の中に、一抹の不安を隠せない複雑な表情を時折見せた。 その姿が気になってしかたがなかった。

私には、この社長さんが心配するのがよくわかった。
私は、総資産の2/3にも膨れ上がった借入金を、11年間かけて、無借金会社にすることができたが、この話を聞き、悪戦苦闘の毎日が走馬灯のように頭の中を走り回った。

たしかに、量が増えれば利益はそれだけ良くなるのが一般的である。
だけど、資金はちょっと違う。
というより思わぬ苦境に立たされることすら起こり得るのである。
このことを社長さんは知っていたのである。

なぜ、そんなことが起こるのかと言うことは・・・次章以降で述べるとして、
ここでは、財務責任者である貴方に問いかけてみたい。

この話を社長から聞いたら、貴方は、なんと答えますか?

 

 

2.財務部員は、なぜキャシュフロー計画書を造れないのか?

上の問いかけに対して、
財務の皆さんの答えを代弁してみたいと思います。

「キャシュフロー計画書を作ることは、そんな簡単なものじゃぁないですよ。」
「だって、利益だってわからないし、設備投資もまだ決まっていなし、それに子会社が○○社もあり各々資金事情は違うんだから・・・。」
「過去の実績を集計するだけでもヒイヒイ言っているのに、集計すべき資料もまだない中で、計画書を作れなんてことは、はなから無理に決まっているでしょう・・・」
「そんなことを財務部に要求する前に、まず、事業そのものを固めてほしいね。・・・規模が急拡大するのだから、①新規の設備投資も必要になるでしょう。 ⓶人だって増やさないといけないし、⓷間接費も今と一緒という訳にいかないし、そもそも、量が増えたからと言って限界利益率が下がるなんてことはないよね?・・・、そこんとこ早くきめてよ!」

ごもっともです。
それに、間違いじゃないし。
私も、永年財務を経験してきましたので、本音は一緒です。

 

 

でも、「できない」なんて言ってたら、会社潰れちゃいますから、

必死にやるしかないですね。

 私も、諸先輩達がこうした場面に立ち向かう姿を何度か見てきました。
ある輸送機メーカーに勤めていた頃です。
経理部に二人の課長さんがいまして、どちらも、優秀な方で、上からの評価も高かったように記憶しております。 勿論、お二人もポスト部長を目指して、熾烈な戦いをしておりました。 それは、近づくと熱気を感じるほどでした。
おりしも、そんな時に、事件は起きたのです。
輸出急拡大で資金需要が激変することになったのです。
そこで社長から出された問いが、「資金は大丈夫か?」だったのです。
この二人の課長さんは、必死に検討して、別々に報告したようです。
それから、しばらくしてからでした。
昨日までライバル同志だった二人が、上司と部下に分かれたのです。

 

こんなドラマチックなことが起きると言うことは、

それほど、会社経営にキャシュフロー計画が大事と言うことに他ならないのです。

 

 

3.さすが財務部と言われるために

 それでは、
利益計画や投資計画がない段階で、
どうしたらキャシュフロー計画書を作ることができるか?
を考えてみたいと思います。

  

 

トップから「キャシュフロー計画を作れ!」と指示が飛んでくるのは、資金需要が大幅に変化する場合や、赤字が続きで資金が枯渇し始めた時くらいでしょう。

後者の場合は、過去にその原因が既に発生している訳ですから、過去分析をすれば、改善策も予測できますから、そんなに難しいことではありませんね。

問題は前者の場合です。

「過去分析」だけでは答えを出せませんので、「これから起こる変化が、どうようにキャシュに影響するのかを予測」しなければなりません。  しかも、予測だけに終わらず、予測される問題について、その改善策も提示しなければなりません。 しかも、皆さんが理解できる形で提示しなければなりません。 

 ここまでやって、初めて財務らしいと言われるのです。

 

 

4.過去分析でキャシュフローのクセを掴む

私達は、将来を考える時、まず、今の自分を見つめ直しますよね。

「このままいったら、将来はどうなっちゃうんだろう!」ってね。

会社の場合も、全く同じです。

今の状態を知らないで、将来を予測することはできません。

と、言うことで、最初は、過去分析をして、キャシュフローのクセを掴むことから始めます。

 

 

上の表は、某企業の実際の数値です。
公表されている「キャシュフロー計算書」を時系列に横に並べただけのものです。
ただ、ちょっとだけ工夫をして並び替えています。
それは、キャシュフローの変動が「利益」と「運転資金のバランス」、「設備投資の状況」で動きますので、それが見えるように並び変えております。

 

このして、見てみると、

運転資金はほぼバランスが取れていますので、今後、規模が急拡大しても、運転資金が大きく足らなくなるといったことはないでしょう。

また、運転資金の下に書かれている「その他」は、「資金ので出入りを伴わない利益の変動」が主なものですが、厚生年金の代行返上してからは大きな変動が見られないので、これも、あまり心配することはないでしょう。

 

問題は、設備資金です。

ここ数年、投資過多(償却を超える投資)になっています。

私達、財務は、安定成長を続けるために、「償却の範囲内で投資」をするように計画をしますが、この会社はこれを超える投資をしています。 その一方、この投資効果は利益が増える形で出てくるはずですが、それがありません。

明らかに先行投資の状況が続いているのです。

海外進出を積極展開しているとお聞きしていますので、この海外進出投資が先行投資の主な理由だと思いますが、効果が出ないままに、先行投資を続けることはたいへん危険なことです。

従って、この先行投資が「いつ効果として表れてくるのか」を確認しなければなりません。このことが将来のキャシュフローに大きな影響を及ぼす可能性がありすので、ここを中心に検討すべきだと考えます。

 

 

5.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぜったい成功する事業計画の立て方(その3)

目次

12.競争力を考える・・・・・3/1投稿

13.ロードマップを描く・・・3/2投稿

14.まとめ・・・・・・・・・3/2投稿

 

 

12.競争力を考える

事業計画作成も、いよいよ最終工程に入ってきました。

ここまでは、外部環境に合わせて、自分の力をどう高めていくかを考えてきましたが、もう一つ大事なことがあります。それは、競合相手と、どう戦っていくかと言うことです。

私は経営戦略は競争戦略だと思っております。 成熟社会では市場そのものが拡大していくことはまず期待できません。 勿論、新技術、新製品、新用途開発などで新しい市場を創造していくことも可能ですが、我々、中小企業にとって至難の技であります。 ですから、残された手は既存市場からどれだけのパイを勝ち取るかという「競争戦略」しかありません。

 いままでは、できるだけ競争を避け、戦わずして勝てる戦法を考えてきたわけですが、それでも、やっぱり競争相手が全くいないと言う訳にはいきません。 最後はやっぱり、この競争戦略なくしては経営戦略を完結することはできません。

 

私たち経営コンサルは、この競争戦略を考えるためのフレームワークをいくつか持っています。 その一つが「3C分析」です。 これは、市場(Customer)、競合(Conpetitor)、自社(Conpany)の3つの項目を徹底的に考察して戦略を構築する方法です。

もう一つは、過去の歴史から引き継がれている競争戦略です。それには「ランチェスターの法則」、「マイケル・ポーターの3つの戦略」、「ブルー・オーシャン戦略」などがあります。

こんなことも参考にしながら、貴方の会社の競争戦略を考えてみることをお勧めします。

 

私の場合は、以下のようになります。