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悪戦苦闘の連続「なんでぇ~」って思ったら、闘う場所(土俵)を間違えていた。

第2章 戦いに向けて体制を整える。/3.戦力を分散させないために、戦うべき「土俵」を明確にする。     _これは、財務改革のために戦い続けた「経理の知られざる戦い」の記録である。_

 ~~~4月13日からの続き~~~

 

(ドタバタの真因を探す)

思い切りアドバルーンを上げたあとは、「一時休戦」で作り上げた少しばかりの余裕時間を使って、自部門の建て直しの道筋を考えなければなりません。これは、あまり、ゆっくりやってはだめです。時間を掛けすぎて機を逸すると本当の「大ボラ吹き」になってしまうからです。

 まずは、ドタバタしている真因を探ることです。この真因が見つかれば、あとは、意外と簡単に、その解決方法が、芋づるを引くがごとく頭に浮かんでくるものです。

 この真因を探る方法として、一度、「部門間の壁」を取り外して考えてみてください。これは、経理や品質保証部など最終工程を担う部門は、知らず知らずのうちに「後追い仕事」になっていることが多いからです。本当の問題は自部門で発生しているのではなく、前工程で起きているのに、この火消し役で振り回され、本来の仕事ができなくなっていることが実に多いのです。具体的な方法としては、貴方の部門で行っている「無駄」と思える業務を書き出してみることです。そして、それらの発生原因を遡って見て行くことです。できるだけ先へ先へと見て行くことです。するとどこかで個々の原因がつながってくることがあります。それが真因です。真因はそんなに多くはありません。それを効率的に叩けばよいのです。

 

(戦うべき「土俵」が違っていた。)

それでは、実例を挙げて、その真因探しを考えてみましょう。

私は、この会社に出向してきた時から、経理の業務範囲に強い懸念を感じていた。▲なぜ、こんなにも仕事の範囲が狭まっているのか。▲本来なら、やられているはずの業務が、ここではやられていない。▲しかも、こんな狭い範囲の業務でありながら、悪戦苦闘の連続である。▲それは、なぜか。▲思いあたるのにそんなに時間は必要でなかった。▲あることが、頭をよぎったのである。▲それは、専務室に着任の挨拶に行った時のことである。

『うちも、いろいろ大変だから、お金頼むよ!』と一言。▲肩を叩く手にも力がこもっていた。▲『おっ、経理も期待されているぞ』と、その時はそう思った。▲ところが、この後、会う人、会う人が、口を揃えたように、同じことを言うのである。▲まるで、これしかないみたいな感じの言い方なのである。

こうなると、さすが『これはおかしいぞ!』と思うようになってきた。▲先日の、社長挨拶では『経理は何もしていない』そう怒鳴ったのに、『お金だけは頼むぞ』と皆が言う。▲よく考えてみれば、『利益のことは俺たちが考えるから、経理は、お金を引っ張ってくることだけを考えてよ!』と言うことであった。しかも、それは、「外から引っ張って欲しい」と云っているのである。

 これはおかしい!。

資金事業運営の中で自ら作り出すもの」であるのに、最終結果である資金不足の対応だけに走る経理の姿は、完全に「後追い仕事」になっていた。▲このため、業績が悪化してくると資金が不足し、その付けが、全部、経理に回ってきて、一人でドタバタしているのである。

 

ここで少し、資金と利益の関係について説明をしなければならないが、会計の本などに「利益と資金の流れは同じではない。勘定合っても銭足らず」と言うようなことがよく出てくるが、これは極端な違いを言っているのであり、「利益の出ないところに資金は生まれない」のも事実である。このことは後章で詳しく説明をするが、少なくとも、この大切な利益や投資のことに一切関与しないと言うことは、既に資金を管理する役割を放棄しているのと同じことなのである。▲にもかかわらす、その後始末だけは経理に被せられていたのである。

  このように、この時の経理は、周りから勝手に、その守備範囲を決められてしまっており、戦うべき「土俵」を完全に見失っていたのです。戦うべき土俵はもっと先の「資金を作り出すところ」が、戦うべき「土俵」であったにも関わらず、足らずまいの調整だけをやっているから、業務が混乱していたのです。