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会社を離れたら、頭を切り替えろ

諸事日記

「個」の力って大したことない。分かっているつもりでも、そんな場面に出合わうと、つい、昔の自分が出てしまう。こんなでは組織を離れてうまくやっていけない。慣れ親しんだ組織人の気質がなかなか抜けない。危ない、危ない気を付けなくては・・・▲今日はこんな話題で盛り上がった。そうなんです、私たちシニアにとっては、「健康」と「縦社会から横フラット社会への適合の仕方」は、挨拶代わりのように、必ず出てくる話題なのです。今日はそんな体験談を紹介したいと思います。

 私は、現役時代に子会社の社長をやらせて頂いたことがある。子会社と言っても年商100億円を超える立派な会社である。しかも、そこに働く人達は「人としての資質」「業務知識」「熱き想い」はとても高かった。私は、そんな会社が大好きだった。▲でも、残念ながら、業務のことはさっぱり分からなかった。古式豊かな商習慣をもつ特殊な業界の中では歯が立たなかった。業務はもっぱら、常務さんと、もう一人の役員さんが切り盛りしてくれた。私は、その上に乗っかっているだけのサラリーマン社長だった。▲さて、前出の「個の力」のわびしさについてであるが、この会社で社長業をしている時に遭遇した。▲商談を済まさせ、食事会に移った。▲参加者は、卸元である大手メカ―、その代理店である私たち、そして、顧客である私たちの親会社の担当者である。▲席に着こうとした時である。「えー、なんでー」と絶句してしまった。表示されている席次表では、最下段に私の名前が書かれていた。親会社の組織に戻れば、私よりも、ずっと下位にあたる担当者が、私の上位にいるのではないか。これには戸惑った。でも「あー、そうか」とすぐに理解できた。自分は代理店の立場で、顧客をもてなす立場にいるのである。また、卸元の大手メーカーからは代理店として雇われている身分である。当然、自分が最下位になる。▲頭では理解できたが、体も、と言われると、これが難しい。▲卸元の大手メーカーは、顧客である親会社をおもいきり持ち上げる。それとは裏腹に、私たちには、いろいろと指示を出す。この格差は大きい。▲最初はぎこちなかったが、何度かやっているうちに、自然とこなせるようになった。▲これこそ、組織次第で、自分の立ち位置が決まる最たる事例である。サラリーマンはこんなことも、うなくこなさなければならない。

 上の事例は現役時代のものであるが、退職してからは、もっと、思い知らされた。▲昨日、私は、某大学に突撃訪問を敢行した。私は、つねずね、難しい理論ばかりではなく、活きた会計学も大事だと思っている。そんな思いで「実務から観た授業をやらせて欲しい」とお願いをしたのである。当然、あっさり断られた。対応して頂いた教務課の課長さんは、とても真剣に話を聞いてくれた。そんなお陰でいろいろと話が弾んだ。その教務課の課長さん曰く「この大学が出来た頃は、学生に就職斡旋もままならなかった。貴方の勤められていたY社にもよくお願いに行きました。」「貴方の会社の担当者は、人事部の〇〇さんと、〇〇さんでした。」・・・名前を聞いても思い当たらない。私よりもずーと、後輩なのだろう。▲それにしても、私の会社に頭を下げていた人に、今、私は、この人に頭を下げている。▲組織を外れるとは、こう言うことかと改めて教えられた。

 続けて、もう一つ紹介させて頂きます。▲先日、ある企業の社長さんに訪問させて欲しいと、希望日を伝えたところ、「今は、忙しい、今月は会議の連続で、来月も海外出張で、当分時間はさけない。多分今年中は無理。君の都合などには合わせられない。時間ができたら、こちらから指示をする」と、強い口調で言って来た。希望日を伝えたことが気にさわったようである。▲私が現役であれば会社の格から言っても、こんなことは言われないはずである。▲でも、私は、もう、今は、一市民に過ぎない。あたり前のことである。・・・・。

 上のことを、決して、怒っているのではない。僻んでもいない。自分に言い聞かせているだけである。今日は、そんなことを言い合って盛り上がったが、妙に、みんな納得している。頭を切り替えて、再出発をすることを誓いあって、友と分かれた。